心にしみる100の名言・迷言

最強の者に。~名言と迷言にあふれる最高のリーダーアレキサンドロス3世~

世界史の中でもトップクラスのリーダーといえば古代ローマのカエサルやフランス革命のナポレオンが挙げられるでしょう。その彼らでさえ大英雄と讃えた歴史上の人物がいます。それがアレキサンドロス3世です。彼は若いころに哲学者のアリストテレスに学び、のちに彼の率いるマケドニア軍は彼の優れた戦術により次々と敵を破るとギリシャ、エジプトからインド北西部に至るまでの大帝国を築きます。そんな大英雄の言葉はのちの英雄たちにも語り継がれました。

一頭の羊に率いられたライオンの群れは怖くない。私が恐れるのは一頭のライオンに率いられた羊の群れだ。

最強の軍隊を率いるアレキサンドロス3世の指揮官としての有能さを見ることのできる言葉です。どんなに兵士が強くても率いる人間が臆病者であればその強さは発揮できません。しかし、弱い兵士でも優秀な指揮官に率いられればその強さは変わるものです。日本の戦国時代でも、天下人を輩出した現在の愛知県、特に織田信長の出身地である尾張の兵は弱兵ぞろいで有名でしたが、信長の用兵と鉄砲の活用により活躍しました。優秀な指揮官が率いれば弱兵は弱兵でなくなるのです。なお、この言葉はのちにナポレオンを引用しています。

私は皆と共に渇きに苦しむ方を選ぶ

彼が優れたリーダーであることを示すエピソードの一つ。インド遠征からの帰路で砂漠を行軍していた際に水不足により兵士が飢えと渇きに苦しんでいる中、ある兵士が王のために一杯の水を見つけて、王に差し出しますが「私は皆と共に渇きに苦しむ方を選ぶ」と言ってその水を捨てました。彼は優秀な指揮官でありながら最前線で戦う勇敢な人物でしたそのため兵士からの人気も高かったのですが、このように部下を思いやれるところも人気の一つかもしれません。のちにローマを恐怖に陥れたハンニバルも野営の際には兵士と寝食を共にしたことで信頼されました。

最強の者に。

アレキサンドロス3世の名言で迷言ともいえる言葉です。彼はインド遠征が終わって帰国後の紀元前323年6月10日に34歳の若さで亡くなりますが、その死の間際に残した言葉がこの言葉でした。彼は後継者を決めておらず、最強の者が帝国を継承する様に行ったのです。のちにこの遺言通りに争いが起き帝国は分裂、最終的には三つの国が残ることになりますがローマやパルティアなどの国の力が強くなると次第に吸収されてしまい、かつてアレキサンドロス3世が築いた国土は完全になくなりました。

アレキサンドロス3世の築いた大帝国はアジアと地中海世界を結び付け、二つの文化が混ざり合ったヘレニズム文化を生み出すなど文化の面にも大きな影響を与えました。さらに彼の生涯と東方遠征はさまざまな地域で語り継がれ、ヨーロッパでは伝説的な9人の君主一人と数えられ、イスラム教の中でも彼がモデルとなった人物が登場します。中国でもアレキサンドロス3世が解けることのないひもの結び目を剣で断ち切った「ゴルディアスの結び目」の登場人物が中国の皇帝になった話も伝わっています。彼の生きざまは多くの人々を魅了し、多くのに影響を与えたのです。