世界的フランス文学者からの遠回しな励まし

かつてのフランスの文学者たちは、なかなか人生に対して後ろ向きな意見を持っていたようです。しかし、「人生は暗い」という透徹した悟りを開いていたからこそ、少しでも生活を明るくしようと努力できたのかもしれません。2人の有名作家の言葉に耳を傾けましょう。きっとあなたの中の「暗い感情」を、「前向きなスピリット」へと変換できます。

世界最高の詩人の皮肉な人生観

「人生とは、病人の1人ひとりが『寝台を変えたい!』という欲望に取りつかれている、1つの病院のようなものだ」ボードレール(フランス文学者・詩人)

『失われた時を求めて』『悪の華』などで世界的に有名な詩人・ボードレールはこんな言葉を残しています。何ともネガティブな示唆に満ちた、暗い名言に感じられます。

『寝台を変えたい』とは、より一般的な言い方にすると「環境を変えたい」ということでしょう。誰もが報われない自分の境遇を、環境のせいにしています。環境を憂う人ばかりが集まったもの…それが人生であり、世界だ、とボードレールは語っているようです。

しかし、これは「環境を受け入れることで人生は病院でなくなる」という逆説的な真理も孕んでいます。自分の置かれた環境の中で努力することが、大切なのかもしれません。

闇の果てへの旅 その向こうに

「ただ目を閉じるだけでいい。それだけで、人生の向こう側だ」セリーヌ(フランス作家)

『夜の果てへの旅』で有名なセリーヌの、同作の中の言葉です。この作品は、乱暴にまとめると、「人生は汚れに満ちている」といったところでしょう。しかし、その世界から抜け出せる方法が、1つだけあります。それがセリーヌの言う、「目を閉じる」ことです。

人生には、目をそむけたくなること、逃げだしたくなることがいっぱいです。しかし、ひとたび目を閉じれば、視覚的な情報はすべてシャットアウトできます。暗闇の中で自由気ままな妄想に浸り、「慰め」を得ることも、長い生涯の中では必要なのかもしれません。

フランス文学者たちの一見暗い言葉には、じっくりと読み込むとポジティブな意味が浮かび上がってくる、という共通した特徴があります。他にもサガン、コレットなど、多くの有名な文学者がフランスから生まれています。時間を作って、彼らの著書に触れてみるのも、心の栄養となるでしょう。