親は身の程を知れ――みんながシンデレラを演じることへの違和感

昨今TVで人気のオネエの中でも、とりわけカリスマ的な存在感を放つマツコ・デラックスさん。痒いところに手が届くような、辛口ながら的を射た発言で、幅広く人気を集めています。今回は、そんなマツコ・デラックスさんの名言をご紹介します。

みんながシンデレラを演じることへの違和感

――親は身の程を知れ。ブサイクなお前の娘がシンデレラなんかできるわけないでしょ!

これは、「マツコ&有吉の怒り新党」での名言です。"子どもの発表会で、クラスの全員がシンデレラを演じた"というエピソードを、マツコさんはこの言葉でバッサリと斬ってしまいました。

兄弟のいない一人っ子が多くなり、ひとりの子どもに対して両親がめいっぱいの愛情を注ぐような家族観が、一般的なものとなってきた現在。「大切なわが子のためなら、保育園や幼稚園や学校に物申すくらい何のその!」というスタンスの親が増えてきたようです。このように、過剰なまでに教育機関へクレームを入れる「モンスターペアレント」という言葉が世間に知られるようになってから、久しくなりました。

子どもの発表会で、クラスの全員がシンデレラを演じるというのは、まさにそんな風潮を象徴するようなエピソードです。本来であれば、『シンデレラ』の物語には主人公のシンデレラの他にも、いじわるなお姉さん・いじわるな継母・魔法使い・舞踏会に参加する貴族たちといった、たくさんの役が存在します。主人公であるシンデレラを輝かせるためには、必ずこうした脇役たちの活躍がなくてはなりません。そういった意味でも、全員がシンデレラの劇というのはナンセンスな出し物だといえます。

シンデレラは、美しい容姿で舞踏会を沸かせる存在。しかし残念なことに、世の中には"生まれつき授けられた美醜の格差"というものがあります。どんなにわが子が可愛く見えるからといって、子どもの容姿の客観的な美しさを、親が担保することはできません。「わが子が主人公でなければ気が済まない!」と一方的な要求を押しつける前に、ほんとうに自分の子どもにシンデレラの役が務められるのかどうか、一考する必要があるでしょう。マツコ・デラックスさんのこの発言は、こういったモヤモヤをたった一言で的確に表現しています。

"ありのまま"にも程がある

――でも私ね「ありのままでいい」っていう風潮は良くないと思うのよ

これは、「5時に夢中!」での名言です。映画『アナと雪の女王』の世界的な大ヒットを皮切りに、主題歌である「Let It Go~ありのままで~」が流行しました。この曲のテーマとなっている"ありのまま"という言葉がひとり歩きして、都合よく解釈されるようになったのではないか、とマツコさんは警鐘を鳴らします。

たしかに、映画のヒロインであるエルサのように「私はこのままでいいんだ!」と自己肯定をすることで、より良い自分に近づける人は存在します。しかし一方で、"ありのまま"というマジックワードは、"努力しなくてもいい"と都合よく解釈する人を怠けさせてしまう力も持っています。本来の意味から転じた言葉が、自分に言い訳をするため世にはびこってしまうのは、社会として歓迎できる風潮ではありません。マツコさんのこの発言は、そのような弛んだ空気にピリッと一喝を入れる、気持ちの良い名言といえるでしょう。

今回はマツコ・デラックスさんの名言をご紹介しました。突き刺さるようなマツコさんの名言を参考に、人生がより豊かになるといいですね。