ネガティブの神様!? 太宰治の2つの名言

ネガティブなイメージの強い、太宰治。確かに、暗い言葉も数々残しています。しかしその著作と同様に、人間的な温かみに富んだ言葉もあります。2つの太宰治の名言を紹介しましょう。

太宰治は明治時代から昭和時代にかけて活躍した小説家です。『人間失格』のようなネガティブな作品のイメージが強烈ですが、実は『走れメロス』や『富嶽百景』のような明るい小説も残しています。彼の悲しい名言、温かい名言を知って元気をもらいましょう。

デリケートな人の心

「弱虫は幸福をさえおそれるものです。綿で怪我をするんです。幸福に傷つけられることもあるんです」太宰治(『人間失格』より)

実に太宰治らしい、名言(弱音!?)です。「幸福」とは何かということについて、深く考えさせられます。今幸せな人は、いつ不幸になるかと恐れながら日々を過ごさなければなりません。他人からの何気ない「気遣い」「配慮」が重荷に感じられることもあります。

最大の幸福とは、あるいは「何もない」ことなのかもしれません。すべてを捨て去ってしまえば、もう傷つかずに済みます。太宰治はそう気付いたために、入水したのかも…。

弱虫も、強くなれる

「笑われて、笑われて、強くなる」太宰治(『HUMAN LOST』より)


太宰治にしては、と言うべきか、人間的な温かみのある言葉です。


人から笑われるのは誰にとっても悔しいこと。しかし他人からどれだけ嘲笑されても、自分の道を突き進めば人間は自ずと成長していくものだ、という意味でしょう。

しかし、よりネガティブな「太宰式」解釈もあります。人から笑われ続けていると、嘲笑に慣れ、笑われても平気な「鈍感さ」を身につけることができる。その「鈍感さ」はある意味では人生を生き抜ける「強さ」ともなりえる…とも取れそうです。

太宰治は、一体どちらの意味でこの言葉を残したのでしょうか? ちなみに出典の『HUMAN LOST』は、実は『人間失格』の原型とも呼ばれている作品です。あるいは太宰治は、「笑われても、笑われても、強くなれなかった」人、なのかもしれませんね。

これまでネガティブなイメージで太宰治を避けていた人も多いでしょう。この名言にぐっと来たら、いくつか試しに読んでみてはいかがでしょうか。新潮社から多数の文庫本が出ている他、ネット上の図書館・青空文庫でもいくつか作品に触れることができます。