心にしみる100の名言・迷言

厳しい目で現実を見つめる言葉たち~ニコロ・マキャベリ~

皆さんはマキャベリという人物をご存知ですか?理想主義の強い15世紀のルネサンス期において現実的な政治を行うべきであると説いた人物です。現在は「目的の為なら手段を選ばない」といった意味のマキャベリズムの語源にもなったこともあって批判的に見られていますが、その内容は古代ローマを例に理想的な国家とリーダーがどのようにあるべきかを論じています。今回はそんな彼の言葉を見てみましょう。

軍隊の指揮官でさえ、話す能力に長じた者が、良い指揮官になれる。

歴史上、優秀なリーダーの多くは話し上手が多いです。最高のリーダーと言われるカエサルも政治の世界においてはその弁舌で多くの政治家と渡り合い、戦争を勝ち進みました。彼の書いたガリア戦記は書き加えることのない名分と伝わっています。20世紀を最悪の戦争に陥れたヒトラーもその巧みな演説で民衆の支持を集め、強権を振るいました。日本でも記憶に新しいのは元総理の小泉純一郎氏でしょう。解散総選挙までやって郵政改革を進めることに成功したのはひとえにその演説能力でしょう。このように人の上に立つリーダーとはその多くが人を引き付ける話す能力にたけていたのです。

指導者をもたない群集は、無価値も同然の存在である。

有権者がある程度の知識を持っていてもリーダーシップの取れない人間が指導者になったり判断能力が乏しい人間が参政権を持っていたりすることにより、合意形成や譲歩も出来ずに政治が停滞したり、愚かな政策が実行される政治状況を指します。民主主義に真っ向から反対するような言葉ですが、マキャベリはこのようなことにならないためにも優秀なリーダーが民衆を率いていくことの重要性を説きました。第二次大戦時のイギリスの首相チャーチルも、「民主主義は最悪の政治といえる。これまで試みられてきた民主主義以外の全ての政治体制を除けばだが」という言葉を残しています。

天国へ行くのに最も有効な方法は、地獄へ行く道を熟知することである。

自動車学校で交通ルールを覚える時に一体何を教わるのか。それは「やってはいけないこと」を教わりますよね?この言葉はそれを端的に表した言葉です。いいことばかり知っていてはいざ悪いことをしてしまった時に、それが悪いことだとは理解できないもので、正しいことをするためには悪いことを知っておく必要もあるのです。これは何もリーダーばかりの言葉ではありません。一般人でも、詐欺に引っかからないためにはどのような詐欺があるのかを理解していれば詐欺に備えることができますし、泥棒に対する家の備えも泥棒がどこから入ってくるかを想像してみれば防犯対策をすることができます。

いかがでしたでしょうか?この他にも彼の言葉を紐解くと当たり前のように思えることや、
理解のできない言葉も多々あります。これは彼の言葉があまりにも現実論過ぎて、理想を求める人には耳に痛いことだからでしょう。「結果さえよければ、手段は常に正当化される」という言葉も現在では批判されるかもしれませんが、緊急時において手段を考えている暇がないことも。彼の言葉はそんな現実をいかに乗り越えるかに満ちているのです。