心にしみる100の名言・迷言

己の欲せざる所は人に為す勿れ~人間関係には孔子の教え~

いつの時代も人の悩みは尽きません。今から2500年前の戦争に明け暮れる中国でもいかに生きるべきかを悩み、考える人たちがたくさんいました。その中でも、のちの歴史に影響を与え、日本にも大きな影響を与えることになったのが孔子の説いた儒教でした。儒教は仁、義、礼、智、信の五つの徳を守ることで親子関係や主従関係、友人関係のなどの5つの関係を維持することを教えています。そこには優れたリーダーのあり方とよい人間関係の作り方が説かれているのです。

君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず

いいリーダーは人との調和を大事にするも、むやみやたらに他人に同調もしない。しかし平凡な人は他人の意見に流されやすく意志もなく調和もしないという意味の言葉です。リーダーが周囲との関係をいいものにするだけならともかく、自分の考えをころころ変えてしまうと部下はついていかなくなるものです。周囲と仲が良く、時には自分の意見をはっきり言う、これが組織の中で必要とされるリーダー像なのです。

義を見て為さざるは、勇なきなり

かの戦国武将、上杉謙信や直江兼続もモットーとした言葉の一つ。正しいとわかっていながら行動をしないのは勇気がないのと同じだ、という意味です。孔子は自分の正しいと思うことを行うのをためらう人は優れたリーダーとは言えないといいます。リーダーたるもの、部下を導くためには時に勇気を出して決断をすることが必要なのです。そういったリーダーにこそ、人はついてくるのです。

良薬は口に苦くして病に利あり。忠言は耳に逆らいて行いに利あり

良薬口苦し、と言えばわかりやすいかと思います。薬は苦いが病を治す、批判は聞き入れ難いが自分の行いを正すことができる、という意味になります。たいていの人は批判を聞き入れたくないもの。しかし、こういった批判の中には自分の行いを正すことのできる言葉があるもの。そういった言葉を聞き入れてこそのリーダーなのです。

己の欲せざる所は人に為す勿れ

簡単に言うと自分がされて嫌なことは人にするな、という意味です。孔子はこれを人間関係の基本と言いますが、それでも多くの人がやってしまう。それは思いやりの心が足りていないからだといいます。この言葉はリーダーでなくとも、人として人間関係を作る上では大事なことではないでしょうか。

この他にも孔子の言葉は人間関係を正しいものにすることのほかに、大事な言葉がたくさんあります。日本においては仏教よりも早く日本に伝わっていました。鎌倉時代以降には南宋で始められた朱子学が伝わり、15世紀には武士の間にも広まります。江戸時代に入っては林羅山を初めとして儒学者が活躍し、あの水戸黄門で有名な徳川光圀も儒学を深く勉強していました。このことで、武士道にも影響を与え、幕末には尊王攘夷の思想に結び付けられることになりました。明治に活躍した実業家、渋沢栄一も儒教の教科書である論語を勉強していたらしく、経済と道徳の両立を説いています。現在でも道徳的な話で引き合いに出されたり解説本が出たりと、その影響はいまだに残っています。ネットで様々な人つながれる今の時代、人間関係を間違わないためにも論語は学ぶべきものかもしれません。